2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ノット・ライク・ディス トランスジェンダーと身体の哲学』読書メモ

藤高和輝『ノット・ライク・ディス トランスジェンダーと身体の哲学』(以文社)を読みました。 www.ibunsha.co.jp 全編通して、置き去りにされてきたトランスジェンダーの蓄積の破片を拾い集める作品になっています。読んでいる最中は非常に胸が熱くなった…

『男性学基本論文集』読書メモ

2024年1月に刊行された『男性学基本論文集』(勁草書房)は、今の日本(の男性/男性学)に欠けている視点をたくさん含んだ論文集です。読んでいる期間、ずっと刺激的で幸せでした。 日本型男性学では、ついつい男性の非抑圧性や男らしさの話に終始してしま…

婚姻制度(異性婚)で男性が得る利益

フェミニズムでは、女性が婚姻制度のもとでいかに抑圧されているか言及されてきた。 例えば、 ・婚姻制度のせいで女が分断されている。妻である女性は守るべき「正しい女」扱いする一方で、それ以外の女(非婚の女、レズビアン、セックスワーカーなど)は「…

アンチフェミニズムな男性の女性認識

アンチフェミニズム的な男性が、女性(やフェミニズム)に対してどのような認識を持っているのか、簡易的な分類をした。そうした男性の中には、そもそもフェミニズムの意味を理解していないために、単に「女性がむかつく」といった八つ当たりを含んで意識形…

トランス男性とシス男性の「男らしさ」認識

トランスジェンダーの男性とシスジェンダーの男性では、「男らしさ」への認識が異なるように見受けられる。このあたりは、いずれきちんと調査されると良いのですが。 ・トランス男性の「古さ」 トランス男性(FtM)コミュニティにおいて、いまだに(肉体)労…