トランスジェンダーや男性学関連で今後やりたいこと

やりたいことというよりは、やるべきことも含まれますが。

 

・2024年中に男性学の本を出す

:今書いてます。男性(学)全般の話になる予定です。「男性運動」といったときに、男性学でよく参照されるような「家事・育児系」と「メンズリブ系」の運動だけでなく、好ましくないけれどアンチフェミ的な「男性運動」も広く含んで考える必要があるよなーーやりたくはないけれど、という感じ。

 

・『トランスジェンダー男性学2』を考えたい

:上記とは別で。トランス男性が男性学にどう政治的に組み込まれていくか、あるいは既存の男性学を少しだけ批判・解体するか、Trans manを中心に考えていく必要もある。「トランス男性の参加者もいますよ」的な、ぬるい多様性包摂では話にならない。構造を少しでも変えたい。それには国内の情報と、他地域のトランス男性の情報を摂取するので、10年くらいかかるかもしれない。

2021年末に出させてもらった『トランス男性による トランスジェンダー男性学』では説明不足だったところや、今となってはイマイチな箇所もあるので、刷新したいですね。

www.otsukishoten.co.jp

 

トランスジェンダー関連の情報を組織的にまとめる

:2023年10月には、戸籍変更するための性同一性障害特例法の要件に違憲判決が出ました。今後法律の中身が変わったり、新しい法律ができたりするでしょう。しかし当事者がそのことを知らないままで、「しなくてもよかった手術」をしてしまうのは不幸だなと。だから当事者向けと、アライ・報道陣・教育者向けのまとまった情報源が二つほしいところ。

 

男性学で戦争の話をする

なんだか戦争モードが高まっているのを日々感じます。男性学のテーマで「女性(women)」と「仕事(work)」だけでなく、「戦争(war)」の話も引き受けなければならないと思う。

 

・日本の植民地支配の歴史を知る

上記と関連して、戦争のことを語るには東アジアの歴史も知っておきたい。欧米圏の輸入だけでは日本のことが語れないため。というか欧米の情報源では、日本は自国を「被害者」ポジションで見がちですが、そうじゃないでしょう。

 

・パンセクシュアルの視点から

男性学では異性愛者の男性と、それに従属させられるゲイ男性の構図ばかりですが、異性愛者でも同性愛者でもない、でもときにどちらの話も「自分ごととして」わかってしまうパンセクシュアル(全性愛者)の立場で物事を考え直したい。政治的パンセクシュアルのあり方をも模索したい。

これには同性愛関連の蓄積に頼ることになるので、何年もかかりそう。

 

・男性が男性学を知る機会を増やす

これは具体的にやりたいこと。できれば2024年中にひとつ。

 

・男性がフェミニズムを知る機会を増やす

学校で生理の話をするとき、男子生徒が教室から追い出される場面ってありませんでしたか?それと同じで、フェミニズムが「男性のための」ものだとはちっとも思わないけれども、はなから「退出」させられているような状況があって、フェミニズムが何か知る前に忌避感や抵抗感を持ってしまっているのだとしたら、それは問題だなーーと思う。

 

・早く創作したい

今は論文読んだりカチッとした本を読む機会が多いけれど、早くフィクションに取り掛かりたい。ひと通り「男性(学)」に向き合った後は、非人間的な生き物たちと向き合いたい。これから情報統制が厳しくなったら、こうした自由も奪われるのかもしれないが、負けない。

 

顔出しや声出しをせずに今のまま何かするとしたら、出版物に頼るしかないのかなという感じです。本当は、さまざまな表現方法で生存を知らしめる方法があり、社会を変えていく手段があるのだから、記述することの権力性に依拠しすぎたくはないけれど、現実問題、身を隠しながらできることが執筆に偏ってしまうようです。